【家充日記】部屋と本棚と私と小鳥と鈴と

春ですね。
いつもと勝手の違う毎日が続いている今日この頃ですが、お元気されていますか?
普段の春以上に、桜が鮮やかだった気がします。

かすたネットもしばらく活動できない状況が続いております。
さみしい限りです。
でも、さみしがってばかりいても、気が滅入ることが増すばかりです。

この間に何かできることはないだろうか、とスタッフで話し合った結果、自分達の日常について、不定期で発信することになりました。
家の中で過ごす工夫やできる楽しみを見つけながらのんびり過ごす生活を綴ることで、暗いニュースが続く毎日を、ほんのりとでも彩れたらいいな、という想いです。
題して“かすたネット家充日記”
というわけで、第2弾は、代表の田畑が担当します。
どうか、お気軽に面白がっていただければ幸いです。

かすたネットの活動がおやすみになってから早2ヵ月経ったわけですが、僕自身は大きく変わらず、元気に過ごしています。
仕事は今月からリモートワークになり、外に出る機会、人に会う機会はめっきり減ってしまいましたが、元々どちらかと言えばインドア派なので、それ以外の生活はあまり変わらず、でして。
コーヒー飲みながら読書したりお気に入りのCD(最近はめっきりくるり、これを書いている時もくるり)聴いたりして、のんびり過ごしています。
でもまあ、大好きな街ブラがしにくくなったり人と会うことが減ったことは、けっこう悲しかったりします。元気かなあ、みんな・・・。

そんなわけでますます家で過ごす時間が増えている今日ころ頃なのですが、そうなると自分の部屋で過ごす時間が多くなるわけで・・・。
しばらくこの生活スタイルが続きそうだし、まずは居心地をよくしよう、とそうじや整理を始めてみたわけですが、普段ならスルーするようなところも目に付くというか、自分の部屋なのにこんなだっけ?みたいな発見もあって、じっくり見ているとけっこう新鮮だったりします。
元々物がそんなにない殺風景な部屋なので、そこまで気合入れなくてもそこそこきれいにはなるのですが、改めて見渡すと、まあ殺風景で。もうちょいオシャレにしたいな、とか思いつつも、結局このままなんだろうな、とか思っています(笑)
そんな自室ですが、一つだけ、ひと際場所をとっていて、存在感のある家具があります。
地元を離れて10数年、引っ越しすること数回。人生の半分くらいをずっと共にしてきた家具。
本棚です。
こう書くといかにも仰々しいというか、ズットモ、みたいな感じですけど、特段すごくもない普通の本棚で、ぶっちゃけ本棚自体に思い入れがあるわけではないのです。
ただ、本棚がある、本が身近にある生活、というのが、思いのほか自分の支えになっているな、と改めて感じたのです。本棚をじっくり眺めてみて。

思い返せば、読書をする、という行為に、僕は小さいころから支えられてきました。
大げさに言えば、自分に希望が持てたというか、呼吸する術を教えてもらったというか。
絵が下手、楽器は弾けない、運動もそれほど得意でない、何より不器用な僕にとって、何か好きなこと、得意なことを見つけるのは、けっこうしんどいことでした。何か作るのも好きだし、表現してみたい気持ちというか、想いは湧くんですよ。ただ、思ったようにできない。
図工や音楽、友達とゲームで遊ぶ時なんかに、みんなが苦もなくやっていけることが、僕にはできませんでした。(今もできません。)
一生懸命やっても自分のイメージしたものには程遠く、歯がゆい想いの連続でした。周囲からはなまあたたかく笑われ、もしくは“キャラ”として認知され、戸惑ってばかりでした。
当時の周囲のほどほどの関りと後に出会う人たちの何気ない肯定的なひとことで、今では半笑いくらいで語れる思い出ですが、実はけっこう上手く受け身がとれない話題でもあります・・・。未だに裁縫とか何かを折ったり畳んだりとか、ていねいに細かくやる作業はとても苦手で、方々色々と迷惑かけていることも多いです。それはそれは、とてもしんどい。

そんな僕でも、読書はすんなりできました。自分の中に6弦ベースを持った時や筆を持った時のような違和感がない。むしろ、これは楽にできる、しっくりくる感じがある。これはできる!そんな感覚になりました。
物語に癒しの力がある、なんていうのは方々で言われていることで、僕もその通りだと思います。これまでたくさんの物語に出会えたおかげで、今の僕があります。
でもまあ、それはそれとして、僕にとっては何が語られるかもそうですけど、何で語るか、表現されているかがけっこう大事です。
映像だと、速い。絵だと、強すぎる。芝居だと、近い。ゲームは、難しい。不器用だから。
僕にとっては、文字で表現される物語世界、というのがちょうどよかったのです。
行間を読む、なんてよく使われる表現ですが、文章と文章の間にあるその隙間が、僕にとっては大事なように思います。自分のペースで読み進めたり立ち止まって考えたりすることを、物語が待ってくれるような感じがします。
自分のペースで過ごせることは、自分らしくいられることでもあります。
本を読むことは、唯一僕のペースで付き合える、僕のペースに付き合ってくれる方法です。
読書して、自分のペースで物語に触れることで、僕は日々癒されています。
こんな日々だからこそ、何か自分にとって軸というか芯というか、支えになるようなものがあるって、とても大切ですね。

本が身近にある暮らし、というのは僕にとって大きなテーマです。
願わくば本に囲まれて生活したいし、部屋の壁一面本棚、みたいな部屋に住んでみたいと常々思っています。ひそかな夢だったりもします。
初めて自分の意志で小説を買ったのが中3で、そこから10数年、1冊も手放さずに身近に置いているのですが、最近困ったことが。
いよいよ、本棚に入りきらなくなってきました。
置き場所がなくなってきた本が、所在なさげにたたずんでくるようになりました・・・。
これはマズい。部屋が散らかるし、かといって雑に置くのも忍びない。
でも考えようによっては夢に近づくかも。ピンチはチャンス!と本棚の増設を考えていたところ、家族から「床が抜けるから」と止められたのでした・・・。けっこう強めに。
やりたいことや趣味には理解のある、比較的寛容である家族なので、止められるのは珍しくて、驚いたと同時にこれは本気だ、と思いました。笑ってるけど、目が笑ってないし・・・。そして、ちょっとへこみました・・・いいじゃん、好きなんだから。大切なんだから。
でもまあ、へこんでいても問題は解決しないわけで、どうしようかなと思案していたところ、本好きの友達と話す機会がありまして。本棚の話になったわけですよ。
その話をしたところ、友達は明快な口調でこう言いました。自分が持つ本は本棚に入るだけにしていて、読んだ本で読み返さないものや入らないもの、入れ替わったものは売る、と。
話を聞いた当初、本を手放すことに抵抗のある僕はなんだか切ない気持ちがしたのですが、「そうやって自分だけの本棚を作っていく」ということばを聞いて、おお、と思ったのです。
自分だけの本棚、という響きが、非常にステキ。
本棚の整理、ええやん。となった僕は、その目線で自分の本棚を眺めてみました。
色んな思いが湧いてきましたが、方向性ははっきり決まりました。
所蔵の整理をしよう。自分だけの本棚、作ってみよう。
人生に最後にどんな本棚ができているのだろう、とか想像したら、ものすごく愉快でした。
家で過ごすことの増えたこの機会に、じっくり向き合ってみたいと思います。
(この話を家族にしてみたら、大賛成!「せっかくだから」とちょっといい本棚を買うのにも理解を示してくれました。自分のやりたいことに寛容な人達がいて、幸せです笑)

というわけで、かすたネット家充日記第一弾、田畑担当回、でした。
一応、僕は最近こんなこと考えてました、的な意図で書いていたのですが、なんかえらく長くなってしまった上に、脱線しすぎた気もします・・・反省!
よーわからんこと言ってるな、くらいで笑っていただけたら幸いです笑

でも、書いていて自分の中ではつながったのですが、リラックスしていられる、自分のペースで付き合える、色んな面白いことがあってそれらに好きな角度でつながれる、みたいなのは、僕がかすたネットの活動で好きなところでもある気がします。(強引?笑)
かすたネットは、僕にとってとても大切な場所です。
色んな人たちと、ゆっくりのんびり、自分のペースで過ごせる場所です。
これからも変わらず、大切にしたい。かすたネットとも本棚とも、僕なりのペースで末永く一緒にいたいと思う今日この頃でした。

写真は最近読んでいた本(本棚はとてもじゃないですけど見せられる状態じゃないので笑)
こんな今だからこそ、徒然草がやたらとしみます・・・。
次回また活動でお会いできること、楽しみにしています。
よろしくお願いします。